永遠。
この言葉に惹かれるのは私がまだ青臭く幼いからだろう。
いずれその幼さは薄れ、自らの道を歩む時がくる。
多くを得、知らぬ間に何かを忘れながら。
そしてようやく、失くしたくないものがなにかと分かってくるのだ。
ふと童心に帰ってきたとき、
永遠というものに憧れるのだと思う。


ヒカルの碁を読んだのは小学5年生の夏休みだった。
九州のド田舎に里帰りをする電車や飛行機の中で退屈しないように
母が私に買い与えたのだ。
本屋にはヒカルの碁が平積みされていて、丁度短編集の18巻が新刊で出た頃だった。
表紙に描かれた奈瀬の笑顔が幼い私の脳裏に焼き付いている。

電車や飛行機の中で、夢中で読んだ。
普段は母は飛行機では寝ているのに必死になって、私と一緒に読んでいた。
里帰りをして家に帰ってきて、まず寄った場所は本屋だった。
続きを読みたかったのだ。
そう、私よりも両親のほうがこの漫画にハマっていたのだった。


いつの日か、この漫画からも卒業していた。
日々に忙殺されて内容はおぼろげにしか覚えていなかった。
12年の月日を経て再びこの漫画を開いた。
きっかけは3月のライオン。将棋漫画だ。
この漫画を読み終わったあと、ヒカルの碁を思い出した。
リアルなようでリアルではない。いい意味でも悪い意味でも。
この一点で今と過去が繋がった。
3月のライオンは主人公のモノローグの繊細さが真に迫る。
それは将棋の対局よりもボリューミーなほど。
今、ヒカルの碁を読んだら私はなんと言うんだろう。
私はあの時よりも少しは成長したのだろうか。


自分は何でもできて、世界の真ん中にいると
未来は果てがなくて、きっと思い通りになる。
そう思っていた傲慢な子供時代の自分を思い出した。

一部は完璧だった。美しい結末。
二部は「ジャンプ漫画」なのにヒカルが負けて終わるから嫌いだ。
私はそんな読みをしていた憎まれ口で冷笑家の鼻もちならないクソガキだった。



本屋でヒカルの碁の完全版を見つけた時は、あまりの美しさに声が出なかった。
大人買いをするのは即決だった。
1巻の各話の引きのうまさを改めて思った。
早く次を次を!!と言わしめる展開の速さとつなぎ。

「君は真剣になったことがないの?」

この言葉に頭をスカーンと殴り倒された。
この漫画には幾つかインパクトあるキーワード(神の一手、遥かなる高みetc)があるけれど、
それ以上に真に迫って私に飛び込んできた。


全力で戦ったすえの敗北は未来の糧になる。
くやしいとここ数年思えたことがなくて、
真剣になるまえに、どこかでブレーキをかけていた自分自身を思い出した。
そんな自分が恥ずかしくなった。
ひたすら前に進んでいこうとする勇気を捨てた私は人生を捨てていたようにも思えたのだ。

もう一回読んだ二部はほんとうに面白かった。
一部の佐為も大好きだったけれど、それ以上に自分の足で歩むヒカルとアキラたちに何度も励まされる。
越智のプライドの高さ、和谷の心からの反省、社の反骨精神。
どれも私に足りないものだった。
負けることは悪くない。そこで腐らないで立ち直れる強さを持つのだ。


自分を信じる気持ちをヒカルから、プライドを持つことをアキラから、無償の愛を佐為から教えてもらった。
永遠というものはない。
けれども今を積み重ねていった先には何かが見える。
そんな人生を歩みたいと心の底から感じた。



ほったゆみ先生、ほった先生の旦那様、小畑先生、編集担当の先生、日本棋院の先生方
この漫画に尽力してくれた人たちに感謝の念が堪えません。


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2014/03/05 Wed 22:16

九路盤でcpuに勝てません・・・
悔しいから勝つために勉強しよう!
って思ったのは久々です。
碁の力は凄い。

あたらしいものにチャレンジするのって面白いなと久々に実感してます。
前回のチャレンジは4年前に始めたお琴でした。
楽器というのは弾き方を覚えたあとは、次はその楽器で出せる最良の音色を出すことに腐心します。
練習を積み上げていくという面もあるけれど、それ以上に自分の体を楽器を演奏させるのになじませる過程が大きいと思います。楽器に向き合った時間だけは必ずなんらかの形で演奏の中に返ってくるという感覚でした。
自分が今、奏でている音はどのようなものか、どんな音を出すのがこの曲にはふさわしいか。
硬い音、柔らかい音、なだらかな音、歌うような音、
それは演奏者の気持ちの入りようと細かい気使いが生み出せるものだと思います。

さて、碁なんですけど
一通りルールも覚えて、cpu対戦をしてなんとなく感覚をつかんでいます。
まずは九路盤で勝てるようにならないと!!

本当の碁はこの4倍も大きい盤面で戦うなんて想像もつかないので
まずは棋譜を並べてみようと思い立ちました!
どうせならリーグ戦の名前にもなっている本因坊秀作にしようと!
(*思考回路は単純です)
本因坊秀作と坂口仙得の棋譜を引っ張ってきました。
ネットで百年前の棋譜が簡単に見れてしまうのは、好い時代だなあって思いますね

石の流れを初心者(始めて数日っていうほんとにビギナー)としてがんばって読みとって思ったことは
棋士ってめちゃくちゃ気が強い人たちの集まりだなと。
攻め方が苛烈で絶対引かないっていう気概が碁の定石も知らないような小娘にも伝わってくる。
凄過ぎて何をしているかわからないっていうのではなくて、何をしているか分かる、その片鱗であっても漂ってくるから凄まじい。
こんな風に攻めていける頭の回転と棋力に恐れおののく。
この境地がはるか高みだとすると、遠すぎる空の果てのようだけど、
理解できる世界だと思う面もあって、全くの別世界とも思えないんです。
長い年月の中でだったら、もしかしたら、その境地に手が届くかもしれない。
そんな可能性すら抱きたくなるような世界だと、僭越ながら思ってしまったのです。
自分で打つならどうするだろう。この盤面で打てるような自分になりたい、と憧れてしまった。

やっぱり目で盤面を追うのは、まだまだ難しい部分が多いので
十九路盤の購入を決定しました!笑
早く届くといいなあ~❤
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2014/03/01 Sat 23:02

突然だが、囲碁を始めた。
ひとまず碁石と入門書だけ購入した。
なにしろ碁盤は大きいし続くか分からない趣味にお金がかけられなかったのだ。
ならばどうしたかといえば、九路盤を段ボールで手書きして作ったのだ。
九路盤とは本物の碁盤の1/4のサイズの初心者用の碁盤である。
手作りはあたたかみがあるねえ。

で、九路盤を前に、「ヒカルと一緒に一段を目指す参考書」を片手に棋譜並べしている次第。
ヒカルってあのヒカル。
今となっては懐かしい漫画「ヒカルの碁」のキャラクターが書かれている。
子ども向けなのですが、地についての説明がものすごく分かりやすい!!
上位の力量の人と打ちながら感覚的に理解する部分を文章化してるから
私みたいに独学で始める人にはもってこいの一冊だ。

周りに碁をたしなんでいる人がいないから
ネット碁しかできないし、碁会所行くの勇気いるわ。
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